「機関紙連合通信社」は労働組合や市民団体の新聞編集向けに記事を配信しています

    〈建設アスベスト被害救済を!〉解決へ国と原告が協議開始/厚労大臣が謝罪

     建設アスベスト訴訟は国と原告が解決に向けた協議に入る。国の責任を確定させた最高裁決定を受け、昨年12月23日、田村憲久厚生労働相は同訴訟東京1陣の原告らに謝罪。協議の場を設けることを明言し、事務方に指示した。

     会見で原告側弁護団の小野寺利孝団長は、自民党と公明党の国会議員で「与党プロジェクトチーム」をつくり、補償基金制度創設を含む全面解決へ動き出すことを明らかにした。中心メンバーは自民党「建設技能者を支援する議員連盟」の野田毅会長、渡辺博道幹事長、菅原一秀事務局長、公明党アスベスト対策の江田康幸本部長(ともに衆院議員)。田村厚労大臣が謝罪した場にも同席した。

     

    ●メーカーの責任未確定

     

     同訴訟は全国で17件あり、原告は千人以上。賠償基準や適用範囲など、地裁や高裁の判断はさまざまで複雑だ。統一した基準の設定が今後の課題となる。

     一方、建材メーカーとの関係では最高裁の判断は出ていない。東京1陣では最高裁上告審の弁論が2月25日に開かれ、メーカー側責任が焦点となる。神奈川1陣は昨年10月に最高裁で結審したが、判決日は未定。

     小野寺弁護団長は「私たちは国とメーカーの出資による補償基金制度創設を求めている。(実現には)関係省庁間の協議が必要。菅義偉総理大臣の決断と指示が不可欠。強く要請したい」と述べた。