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    1労働日1万円の危険手当を/全自交労連が春闘要求/コロナ禍の生活維持目指す

     タクシーやハイヤーの労働者でつくる全自交労連は1月25日、都内で中央委員会を開き、2021春闘方針を決めた。コロナ禍の下で働かざるを得ない運転手の生活を維持するため「1労働日1万円」の危険手当支給などを要求。コロナ禍だからこそ、従来以上に労使の真摯(しんし)な話し合いが求められるとし「最後まで諦めずに交渉を積み上げよう」と訴えている。

     春闘方針は「エッセンシャルワーカー(生活維持に欠かせない職業に従事する労働者)にふさわしい賃金への改善」を強調。コロナ禍で営業収入が落ち込む中、感染リスクを抱えながら働かざるを得ない労働者の生活維持を目指す。「1労働日1万円」の危険手当については、会社に要求するとともに、国にも何らかの支援を求めている。

     賃上げ要求として組合員1人当たり月額1万円の引き上げや、運転者最低賃金の創設に向けた「時間額1100円以上」などの企業内最賃協定、最低11時間の勤務間インターバル制度、固定給中心の生活安定賃金再確立も要求する。

     松永次央書記長は「コロナ禍で売り上げが減っている時だからこそ、今年は労使がぶつかる春闘ではなく、真摯に話し合えるチャンスではないか」と指摘。労働条件の安易な切り下げや不当解雇をけん制しつつ、実のある交渉の展開を展望する。