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    5月31日に組織統合へ/全自交労連とKPU/10年間の分裂を経て力合わせ

     ハイヤー・タクシーなどの労働者でつくる全国自動車交通労組連合会(全自交労連、連合加盟)と関東旅客自動車交通労組連合会(KPU、連合東京加盟)が5月31日に組織統合する。分裂から10年。違法な「白タク」の合法化を狙うライドシェア問題など課題が山積する中、あらためて力を合わせる必要があると判断した。

     分裂のきっかけになったのは、2011年11月の全自交労連67回大会。人事をめぐる問題などで意見が合わず、東京の大手労組を中心に脱退に至った。17年以降は、連合の呼びかけによって統合に向けた協議を開始。連合東京などが仲介する形で話し合いを重ねながら、ライドシェアに反対する運動や研修でも共闘を続けてきた。

     両組織は1月29日の記者会見で統合を正式に発表した。全自交労連の伊藤実委員長は「人事をめぐってボタンの掛け違いがあったが、お互いに政策的な方向性は同じ。今後も足並みはそろえていける」、KPUの藤野輝一委員長も「政策面での違いはない。組合員を大事にするという原点に立ち、大同団結していく」と語った。

     ライドシェア問題だけでなく、新型コロナウイルス感染が広がる中で事業と雇用を維持するには、政治との関わりを含めて力合わせが不可欠だったという。

     組織統合大会は5月31日の午後、全自交労連第77回臨時大会として、東京で開催する。組合員数は2万3千人以上となる見通し。

     

    〈写真〉統合発表の会見場で「力合わせ」をアピールする両組織役員(1月29日、都内)