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    「誰でも2万円以上」要求/民放労連/内部留保の活用を訴える

     民間放送局や制作会社などの労組でつくる民放労連は2021春闘で、「誰でも2万円以上」の要求基準を掲げている。1月末に開いた臨時大会で決めた。コロナ禍と広告収入低下による苦境が続く中、「今こそ内部留保を放送の将来と現在のために使うべきではないか。労使の徹底した対話の積み重ねで、一丸となって難局を乗り切る春闘にしよう」との大会アピールを確認している。

     統一要求基準は昨年と同じ水準。昨年までとの違いは、経営状況や社内世論に応じ単組が独自の基準を設けてもよいことをあえて記したことや、経営者との話し合いの機会を設け深刻な対立に陥らないよう十分な話し合いを行うことが、付け加えられている。

     昨年はコロナ禍による業績悪化で、一時金が大幅に減額された組合も多いという。齋田公生書記長は「(生活費が)いかに手当に依存しているかがコロナ禍で明らかになった。地方局ほど残業も抑え込まれ、生活は厳しい。月例賃金引き上げの要求は切実だ。広告収入は昨年下期以降、復活しつつあった。内部留保の活用を含め、放送の未来への先行投資と訴え、臆することなく要求していく」と話す。緊急避難的に行ったテレワークへの対応では、公正な処遇とするための整備も重視する。

      放送局で働く下請け労働者の処遇改善では、時間あたり契約単価の150円引き上げや、全ての労働者への5万円以上の夏季慰労金支給を求める。職場でのマスク配布と労働相談、組合結成の呼びかけを行い、組織化のキャンペーンを繰り広げる構えだ。

     政治的な課題では、知る権利を奪うことにつながる特定秘密保護法と共謀罪の廃止、沖縄辺野古新基地建設など在日米軍の再編強化に反対するとしている。