「機関紙連合通信社」は労働組合や市民団体の新聞編集向けに記事を配信しています

    〈建設アスベスト被害救済を!〉国の責任割合が拡大/大阪1陣訴訟/上告不受理で高裁判決確定

     建設アスベスト大阪1陣訴訟(被災原告19人)で、最高裁は2月22日、国と建材メーカーの上告申し立てを不受理とし、国と建材メーカーの責任を認めた大阪高裁判決が確定した。被害に対する国の責任割合を拡大しているのが特徴だ。

     2018年9月の大阪高裁判決は、一人親方(解体工を除く)の救済を含め、国や建材メーカーの責任を認定。他の建設アスベスト訴訟の判決では国の責任割合は「3分の1」となっているが、大阪1陣訴訟の二審(大阪高裁)判決は「2分の1」に責任割合を拡大して認定しており、この基準が確定した。

     最高裁で国の責任が確定したのは東京1陣、京都1陣に続き3例目。建材メーカーの「共同不法行為者」としての連帯責任が確定したのは、京都1陣に続き2例目となる。

     

    ●被害者全体の救済にも

     

     大阪1陣訴訟の原告団らは24日に声明を発表した。石綿紡織工場内の被害に対する裁判(大阪泉南アスベスト国賠2陣訴訟)の最高裁判決(14年)が、国の責任割合を「2分の1」としたことに触れ「最高裁が建設アスベスト訴訟でも同様の判断をしたことは、原告の救済にとどまらず、今後の建設アスベスト被害者全体の救済にとって極めて大きな意義を有する」と評価した。

     最高裁は、大阪高裁で国の責任が認められなかった解体工の上告申し立てについては受理した。口頭弁論が4月19日に開かれる予定だ。