中堅中小の金属製造業労組でつくるJAMの2月25日段階の第1回要求集計によると、300人未満の中小労組のベア要求の平均は4354円で、大手を2千円以上上回っている。中小の製造業では、人材確保のためにも賃上げを避けて通れない状況にあると指摘される。
加盟組合の4割に当たる660単組が同日までに要求を提出。賃金体系維持分を明示できる497組合のうち387組合が賃金改善(ベア)を要求した。ベア分の平均は4140円。
規模別でみると、300人未満(290組合)のベア平均が4354円で全体平均を上回るとともに、100人未満(149組合)では4530円とさらに高い。一方、千人~2999人が同2902円、3千人以上は2043円で、中小とは大きな差がある。
安河内賢弘会長は3月1日の会見で「中小では賃上げのモメンタム(勢い)が継続している。団体行動権を背景に労使対等の立場で要求するよう呼びかけ、職場単位で厳しい議論を重ねた結果」と説明した。
その上で、「中国経済が動き出して職場は忙しく、人手不足感は若干弱まりつつも継続している。(コロナ禍で)残業代をはじめ手取り額が減り、人が辞めていくとの声も聞く。中小は賃金を上げざるを得ない状況だ」と語った。
金属大手の集中回答は厳しさが見込まれる中、格差是正、賃上げの継続に向けた、中小労組の相場形成の取り組みが注目される。
コメントをお書きください