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    〈核兵器廃絶へ3・1ビキニデー〉「風化させてはならない」/高校生平和大使もメッセージ

     原水爆禁止日本国民会議(原水禁)は3月1日、静岡市内で「被災67周年ビキニデー全国集会」を開き、オンラインで配信した。川野浩一議長は「ビキニ事件を風化させてはならない」と、あらためて核兵器廃絶運動の原点であるビキニ事件を学ぶことと、さらなる運動強化を訴えた。

     川野議長は、秋田県と山口県に配備が予定されていたイージス・アショア(弾道ミサイルを地上から迎撃するシステム)の計画を政府が昨年、停止したことに触れて「住民運動が実った。久々の快挙だ」と評価した。同時に、自民党などの敵基地攻撃能力保有の動きに警鐘を鳴らした。

     1月の核兵器禁止条約発効を受けて、「なぜ唯一の戦争被爆国である日本が条約に賛同しないのか、米国の核の傘に身を寄せるのか。平和憲法を無視して米国とともに戦争する国に変わろうとしている」と批判した。

     その上で「世界は核兵器廃絶に向けて確実に変わっている。ビキニ事件を過去のこととして振り返るのではなく、未来を開くために学ぼう」と呼びかけた。

     静岡県内で活動する高校生平和大使からは動画メッセージが寄せられた。高校2年生の木下桜さんは、こう語った。

     「3月1日のビキニ事件を知らない人が多い。この事件から核兵器廃絶運動が始まった。私たちも平和活動のパイオニアになれるようにがんばりたい」

     

    〈写真〉あいさつする川野浩一議長(3月1日)