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    女性のための相談会に125人/コロナ禍での困窮者支援/失業・虐待などのSOSに対応

     コロナ禍の中で困窮する女性たちを支援しようと3月13、14の両日、東京・新宿の大久保公園で相談会が開かれた。125人が訪れて、失業や家庭内暴力(DV)被害などについて悩みを打ち明けた。対応した相談員やスタッフは延べ200人以上で全員が女性。来場者からは「とても力になりました」「来てよかった」などの感想が寄せられた。

     昨年12月に、さまざまな団体が困窮者の支援活動を行ったが、足を運ぶ女性は多くなかった。実行委員会メンバーの松元ちえさんは「コロナ禍が広がる中で多くの女性が困窮しているのに、姿が見えない。どうしたらいいかを話し合い、女性による、女性のための相談会をやろうということになった」と話す。

     

    ●生理用品も配布

     

     女性が訪れやすいよう、会場の設営や支援物資にも気を配った。農民運動全国連合会(農民連)からは新鮮な野菜とフルーツ、コメ、生花が届いた。話がしやすいようにと、カフェコーナーやキッズスペースを設置。生理用品や基礎化粧品に加え、就職面接用に提供した白いブラウスも「助かります」と好評だった。

     

    ●不安定な非正規労働

     

     派遣や契約社員として働き、コロナ禍の影響で失業したケースや、DV被害に遭って体調を崩しているという相談が少なくなかった(表)。

     松元さんは「これまでは非正規の短期雇用で食いつないできたが、コロナ禍で仕事が切れてしまった形だ」と指摘。女性の多い非正規労働の不安定さがコロナ禍で一層明らかになったと語る。

     そんな中でも相談者は「来てよかった」と話す。DV被害に遭っていた50代の女性は「こんなに優しくされたことはなかった」。セクハラを受けていた人も、支援者から「あなたが悪いのではない」と言ってもらって、自信を持てたようだったという。

     

    〈写真〉相談会の予定について説明する実行委メンバーの松元ちえさん(3月13日、都内)