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    全自交労連とKPUが統合/10年を経て分裂克服/「新生全自交」で諸政策実現へ

     ハイタク産業の労働者でつくる全国自動車交通労組連合会(全自交労連)と、関東旅客自動車交通労組連合会(KPU)が5月31日、分裂を克服して統合した。同日、全自交労連の第78回臨時大会(統合大会)を開いて統合合意書を確認。伊藤実委員長ら役員を選出した。

     分裂のきっかけは、2011年11月の全自交労連大会。役員人事をめぐる意見の違いから、東京の大手労組などが脱退し、その後、KPUを結成した。17年以降は、連合や連合東京の働きかけで統合に向けた協議がスタート。違法な「白タク」であるライドシェアに反対する運動などで共闘を続けてきた。

     統合大会では、伊藤実全自交労連委員長、藤野輝一KPU委員長とも課題山積のハイタク産業について、新型コロナ対応を含め諸政策実現の必要性を強調。「新生全自交」として役割を果たす決意を表明した。

     両組織の顧問を務めてきた宮里邦雄弁護士は「感無量だ。50年近く労働運動を見てきたが、組織が分裂して運動が発展した例を知らない。団結は力だ」と述べ、祝辞を送った。

     役員には、旧全自交の伊藤委員長と松永次央書記長らが就任。任期は今秋の定期大会までとなる。

     

    〈写真〉確認した統合合意書を掲げる伊藤全自交委員長(右)と藤野KPU委員長(5月31日、都内)

    〈写真〉選任された新役員を代表して伊藤委員長があいさつ(5月31日、都内)