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    最低額は820円に/2021年度の最低賃金/地域間格差は縮まらず

    〈各地の審議から〉4%の引き上げに/島根

     最も多く積み上げたのが島根の32円。引き上げ率は4%になる。労働側は当初38円を、使用者側は据え置きを主張し、最終的に目安額と労働側の主張の間の32円引き上げで採決した。

     島根労働局によると、島根県は有効求人倍率が全国2位で、労働力が不足しており、若者の県外流出を防ぎたいとの認識が共有されていたという。労使ともに指摘するのが、経済的な総合指標はDランクの中では高位にあり、最下位争いをするような立ち位置ではないという自負である。

     採決の結果、使用者側は4人が反対したが、1人が賛成に回った。賛成した委員は「もろ手を挙げて賛成したわけではない。他県への流出を考えれば最下位であってはならない」と話す。改定により同県は824円に。最下位県を4円引き離し、Dランク内最高額の福島に4円差に迫る。

     さらに異例だったのは、中小零細企業への支援を求める、国への強い要望が示されたことだ。一つが、企業内の最も低い賃金を引き上げた企業に支給される、国の「業務改善助成金」を、設備投資を要件とせずに、人件費増加分などに企業が自由に使えるよう見直すこと。もう一つが、中小零細企業について、社会保険料の使用者負担分の軽減を図ること――。前者は付帯決議として明記され、後者は厚生労働省への要望として伝えられることになった。

     島根県経営者協会は昨年3月、連合島根との間で、雇用維持に最大限努めるとの共同声明を発表。同協会の森脇建二専務理事は、雇用調整助成金を活用して雇用を守るよう千社以上に呼び掛けてきた。その立場から、「今必要なのは、設備投資ではなく、人件費などにフリーハンドに使える助成金だ。島根県は20人以下の小規模事業所が圧倒的多数。零細企業では社会保険料負担が響いている。与野党が一致して早急に取り組んでほしい」と話している。