ランク制改善へ力合わせよう 労働弁護団が初の最賃集会/目安全協での審議見据え
日本労働弁護団は12月1日、東京都内で、最低賃金の大幅引き上げと地域間格差の縮小を考えるシンポジウムを開いた。労働弁護団が最賃をテーマに集会を開くのは初めて。現在審議中の「中央最低賃金審議会の目安制度の在り方に関する全員協議会(目安全協)」での審議を見据え、地域間格差を生む現行のA~D4ランク制の見直しへ流れをつくりたい考えだ。
中賃・労働側委員で、連合の仁平章総合政策推進局長が参加し、今年度の最賃改定審議のポイントと、最賃改定の運用を5年に1度話し合う目安全協の審議状況について報告。労働側の狙いとして、生活できる水準への引き上げに道筋をつけることと、地域間格差の是正を挙げ、「隣県への労働力の流出が止まらない。(A~D)4ランク制のあり方を含めて議論していく」と述べた。
労働弁護団副会長の中村和雄弁護士は、都市と地方の生計費は、都市部で高い住宅費と、地方では欠かせない自動車保有が相殺し合い、双方に大きな差はないと指摘。時給格差が最大219円にもなる現行の4ランク制について、「既に限界を迎えている。日本経済と地域経済の活性化のためにも、この改善が必要だ」と語った。
労働弁護団は5月、最賃の大幅引き上げと全国一律制度の導入を求める声明を発表している。中村弁護士は「5年か10年かけて四つのランクの数を減らしていき、近い将来、全国一律の実現をめざそう」と取り組みを呼び掛けた。
集会には、全労連の小畑雅子議長がメッセージを寄せ、全労協の代表が出席し賛同を表明した。