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    物価上昇を上回る勧告を/国公労連中央委/「労使関係で職場変える」

     国公労連は4月20日、都内で中央委員会を開き、2023年人事院勧告に向けた運動方針を確認した。物価上昇に見合う「緊急勧告」を引き続き求める。人事院が検討している「給与制度の整備」については、労働者本位の改革となるよう取り組みを強める。大軍拡・大増税反対や改憲阻止、組織拡大の取り組み強化も決めた。

     人事院に「緊急勧告」を求める取り組みは継続する。併せて、方針は、夏の人事院勧告に向けて(1)物価上昇を上回る全世代対象のベア実現(2)通勤手当の改善(3)地域間格差解消につながる地域手当の見直し――などを求めるとした。

     今後の取り組みの構えについて「『労使関係で変える』『当局に汗をかかせる』ことを強く意識し、政府・人事院、各省当局を職場の団結の力で追及する」と明記したのも特徴だ。浅野龍一書記長は「政府、人事院に対し、職場の実態を踏まえた声を(省庁などの)当局に上げさせることが大事。職員や組合員が一番身近に感じる夏季闘争を目に見える形で進めることにこだわりたい」と説明した。

     今夏に「骨格案」が示されるとみられる「給与制度の整備」については、労働者本位の改革となるよう、職場学習や組織的な議論を進める。九後健治委員長はあいさつで「総人件費抑制の方向は変えないだろう。若年層の低賃金を放置する一方、ベテラン層が冷遇されるなど職員を分断する内容がこれまで進められてきた。そのことをしっかり総括し、労働者本位のアップデートを実現していこう」と語った。

     

    ●〈討論から〉

     

     全医労(厚生共闘)の前園むつみ委員長は、全国で32年ぶりに行った指名ストに触れ「国公労連や医労連の支援で実現でき、世論にアピールできた。職場では自信になっている」と語った。組合が重視した非常勤職員の給与の経験加算についても「3月の春闘交渉で(国立病院機構が)初めて『回答したい』と明言した。ストでたたかった成果だ」と述べた。

     物価上昇分を上回る賃上げを求める意見も多く出された。全法務の中央委員は「物価高で生活が厳しいという声が寄せられている。全世代の賃上げが必須だ。今すぐに緊急勧告を出してほしいが、それが無理ならば1日も早い人勧、給与改定が必要」と述べた。

     

    〈写真〉国交労連中央委の2023年夏季闘争アピールは「『再び戦争の奉仕者にならない』という不退転の決意」で憲法と平和を守るとしている(4月20日、都内)